2001年の年頭に当って        電通労組執行委員長  大内 忠雄

 

 

 21世紀が始まります。電通労組結成以降の20数年で、ソ連邦崩壊、東西ドイツ統合、冷戦構造から、EUの成立、そして朝鮮半島での南北首脳会談へと大きく転換してきました。

 しかし、アメリカを中心とする新自由主義経済は、全世界を一つの市場とするグローバリゼイション経済として巨大な多国籍企業、金融資本による「弱肉強食」「優勝劣敗」の政府も巻き込んだ大競争時代に突入しています。

 

 グローバリゼイション(経済の地球規模化)は、無秩序な拡大のなかで、世界経済の二極化を進め、国と国、また国内での公平を犠牲にし、民族、地域対立を作り出し、富めるものと貧しいものの格差が拡大しています。

 更に、これだけに止まらず、世界的な大失業時代を生み出し労働者搾取と農業、環境の破壊から地球の破滅まで突き進みつつあります。

一方、一人勝ちのアメリカでも「有職者のホームレス」「非定期で低賃金雇用のマクドナルド雇用の増大」と国内での貧富の極端な拡大が進んでいます。

 乱開発、消費推進、大量廃棄の経済社会構造の、世界的な転換が求められて来ています。

 

 

 

 日本政府、資本もまた、バブル崩壊後の経済を立て直しグローバリゼイション時代に勝ち残る為と

して、リストラ促進、企業再編、雇用の流動化、規制緩和を推し進めてきました。

 産業再生法、企業再生法によるリストラと、銀行、大企業の救済と中小地場企業の倒産切捨て。労働分野の規制緩和、雇用保険法改悪等の労働法改悪による、雇用の不安定化、労働条件切り下げ、格差の拡大。

そして、応分の負担と称する介護保険法制定、年金法改悪等、福祉の切捨てが強行されています。

又、「新ガイドライン」による戦争協力、沖縄米軍基地の恒久化、憲法改悪の策動が、アジア各国からの警戒の声を無視して推し進められています。

 

 「人間と社会が破壊される」政府、資本の攻撃に対し、人間を、地球を取り戻す闘いが、今、労働者、人民に早急に求められているのです。

 反撃は、ヨーロッパにおける反失業の国境を超えた闘い、アジアでの労働者の闘い、沖縄での普天間移転反対の反基地の闘いなど、攻撃に対する怒りは確実にひろがっています。

 日本でも、沖縄の闘いを始め、そごう救済反対の声、長野県知事選、衆院東京都補選での闘い

反原発、環境破壊に対する闘いが広がっており、労働運動でも、失業者が組合を結成し闘う等、新しい動きがでてきています。

 

 不況の継続、雇用不安、最悪の支持率と、その無能力ぶりが明らかにも係らず、居座っている森自・公・保連立政権は、数の論理で、この間の反動法案の強行成立を成し遂げ「挙国一致、総翼賛政治」に向け改憲を射程に入れています。

民主党などの野党も本質的には同様の性格であり、自・公・保連立に取り込まれて行くしかないでしょうし、その事が、森政権を倒せないでいる要因でもあります。

 

 私たちは、政府に「膨大で無益な公共投資の中止」「防衛費、宇宙開発費、原子力事業費などの

無益な財政支出の削減」を要求し、公共投資はゼネコンの為ではなく、不安定雇用と低賃金労働に転落させられていった多くの労働者の雇用と収入を支える為に。

巨大開発型ではなく、生活環境とエコロジー保全の体系を持ったものに転換すべきだ。

 そしてNTTには、不透明なIT戦争になりふり構わず突入する事を止め、事業経営の中軸である従来の事業を大事にし、社会的貢献を追求する企業、人間を大事にする、自ら主張する「人間企業」へと経営姿勢を転換すべきと要求して行かなければなりません。

 

 

 

 いまNTTも、グローバリゼイション時代の先頭にと、なりふり構わない労働者犠牲、利用者切捨ての大合理化に邁進していますが、その未来はNTTが言うようなバラ色等では無く悲惨なものと言わなければなりません。

 IT市場は、アメリカが席捲しており、アジアでもインフラ、半導体関連でも韓国、台湾等の後塵を排していますし、NTTが多国籍勝ち組み企業として残るのは、日本政府の再編成の遅れもありきわめて困難と言わざるを得ません。

 又、国内でも、光ファイバー網をめざし、ISDNで間を持たせようとしたNTT戦略は、DSL、CATV等の

新たな動向の中で苦戦を強いられざるを得ません。

 

 従って、NTTは、既存の電話網と、IP戦略実践のNTT法で縛られない完全民間の二つに分離するため、ユニバーサルサービス(公共サービス)の既存電話網(ISDN含む)と、その中軸を支える中高年労働者の切り捨てに、労働組合の任務を捨てたNTT労組と共に邁進しているのです。

 仕事があるのに業務集約、委託化を進める、優先接続等を始め、営業活動の拡大が決定的なのに社会の常識に反して営業拠点を縮小する等は「労働者の追い落とし」でしかありません。

 

又、「成果・業績評価制度賃金」導入は、労務費の枠を変えずに「働けば賃金が上がるシステム」と労働者の競争による「分捕り合戦」をさせることです。

 そして、この制度は、一握りの評価を受ける人と、大多数の賃下げをもたらす制度で有り、他産業も含む労働者全体に与える影響は計り知れません。

野党のチェック機能の喪失が、現在の翼賛政治で有るように、企業経営をチェックする労働組合の社会的役割の後退と屈服が企業の横暴と崩壊を招いています。

私たちは、NTTが進めている経営姿勢は、労働者にとっても利用者、地域にとっても許されない事

を声を大にして訴えなければなりません。

 

 

 

 私たちは「労働を、生活を、社会を変える」労働運動を基軸に据え闘ってきました。

2001年の年頭にあたり、21世紀に労働者、人民の闘いを大きく発展させる為に全力をあげなければなりません。

 働く労働者を大事にし、その為の労働組合を、今この時代にこそ大きく作り上げて行きたいと考えています。

NTTの理不尽な攻撃に対し、会社と共に推進するNTT労組から決別の声を上げましょう。

電通労組は、全ての労働者に開かれています。あなたも参加し一緒に闘おう。

 

 「闘いは希望なり」「団結は力なり」

                                   2001年1月