3月13日、電通労組は、宮城、福島、青森の三支部で春闘要求の実現に向けてストライキに突入した。 宮城支部は、仙台五橋ビルでストライキ集会を地域の仲間の参加で闘いぬいた。 「貧困と格差を許さず、人間としての労働と生活を!」「安定雇用、直接雇用、均等待遇の実現を!」のスローガンが会社の塀に貼り出され、春風に組合旗が翻る。 <ため込んだ内部留保を吐き出せ!> 安倍政権が「経済成長」を如何に力説しても労働者・国民の生活は一向に改善の兆しはない。NTTの内部留保は10兆9千億円に膨れ上がっている。これは、低賃金の非正規労働者が30%を超え、低コストでの業務の外注化・委託費用削減、正規雇用労働者 の雇用を削減してきたことによるものだ。 電通労組は「企業の内部留保の数%で賃上げはできる」と訴え、また「同一労働同一賃金」原則について「非正規労働者の賃金を正規労働者の水準まで引き上げること」であり早急な格差の是正の実現を求めている。 4月から始まる「働き方改革法」に対し「厚労省の省令」でどのようにでも範囲が決められる「高プロ対象労働者」は労働者の命と健康を守るすべを持たない労働者が次々と生み出されていく危険な法律だ。NTTでも「NTT働き方改革」の動きが急激に広がっている。19春闘は、働く仲間の声や要求を拾いつつ闘いを進めていくことが求められている。 |
<貧困と格差拡大を許すな!> 「勤労所帯の30%の家計は赤字であり、70%以上の所帯が支出を切り詰めて生活している。働いても、働いても実質賃金が低下し、一方で税金・社会保険料の負担が拡大していることにある」「いま、年収200万円以下で生活する働く貧困層は非正規労働者を中心に12年連続で1千万人を超えている。一方100万ドル(一億一千三百万円)の金融資産を保有する人は270万人に増加し富の集中と格差が拡大している。」と電通労組宮城支部書記長のマイクアピールがビルに響く。
支援に駆けつけた宮城全労協各組合から激励の連帯アピールが続く。宮城全労協酒井事務局長は、19春闘は、8時間働けば安心して生活できる社会を目指すことを第一とし、震災からの復興において、かさ上げや防波堤工事、高台の土地確保などは進められているが孤独死など人間の復興が置き去りになっていることを指摘し、働き方も含めた取り組みや最賃の直ちに1000円の実現、高プロに見られる「労働時間の尺度」をなくす働き方改革に反対を訴えた。 東北全労協の亀谷事務局長は、8時間労働で生活できる賃金確保と働き方改革の論議を進めていくことが必要とし、労働者の権利を確保しながら統一地方選に勝利する闘いを訴えた。また、大震災から8年目を迎え、「被災者の声を聞け」というスタンスに震災報道が変化してきたことを指摘した。それは沖縄の声を無視続ける安倍政権への批判と重なると。 郵政合同労組の山下委員長は、国会での安倍首相や官僚の回答姿勢に対して鋭く批判し、このような政権を打倒するといえなくなった労働組合の限界を超え政権打倒を訴え闘うことを呼びかけた。さらに福一原発の廃炉作業における労災認定を求めた取り組みで宮城合同労組の闘いを紹介して脱原発と労働運動の結びつきの強化を訴えた。 宮城合同労組の星野委員長は、働き方改革の中小企業の実施時期は来年4月からで、(三億円超の資本金をもった企業は今年4月から実施)一年をかけて「残業削減」を各経営者に求め過労死をなくす取り組みを展開していくと決意表明した。 大幅賃上げを実現するぞ!ストライキで闘うぞ! 春の労働者の闘う声がビルの谷間に響き渡った。 福島支部、青森支部でもストライキ行動が展開された。
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